業績が良い企業となかなか回復しない企業。
一体何が違うのか、今まで指導した企業様を想い起こしてみると、業績の良い企業にはある共通点があります。
その共通点とは
①事業計画書を作成している
②作成した事業計画を現場に周知徹底している
③進捗管理がなされている
という3点ではないかと思います。
その他、色々と要因はあるのでしょうが、売上が計画通りかそれ以上の結果を生み出している場合はほぼこの3点は共通しています。
①事業計画書を作成している
いわゆる損益の計画書のことで、各項目について「予算化」します。
これを作成する際にも実は目的によって方法は異なります。
例えば、営業目標を意識して作成する場合には少しストレッチしたものを作成しますが、資金繰りや企業の存続がかかっている場合、また、銀行など金融機関に提出する場合はかなり現実的にシビアな売上計画を作成します。
「予算化」する場合にはまず後者を意識した計画を作成し、現実的に最悪の状況を考慮した売上計画を策定し、その売上でやるためには経費関係をどれだけ使えるのかという考えのもとに各経費をこれだけ使っても良いよ、という「予算化」していきます。
また、売上にかかる原価もシビアに高めに設定していきす。これらを掛け合わせて最悪のシナリオを作成しそこから各所を再度見直して計画を完成させるというやり方です。
②作成した事業計画を現場に周知徹底している
多くの企業の場合、計画作成は経営者や役員が作成する場合が多いので、実際に現場で動く従業員の方々まで浸透していないとせっかくの計画も意味がなくなってしまいます。
作成したことに満足してしまわずに、この計画を作成した経緯や意図をきちんと説明し理解させることが何よりも重要です。
③進捗管理がなされている
作成した計画に対しての進捗を毎月確認することで、計画との差異や異常値を即座に把握することが可能になります。
これも非常に重要で、現場に意図が浸透していないのか、やりかたが良くないのか、計画自体の修正が必要なのかなど問題点を発見することが容易に出来、修正も迅速に出来るようになります。
このように、この3点の要素が重要ですが、特に②と③は必須です。
私が一昨年から関わっているある企業では、金融機関への提出用の計画書の作成をきっかけに大きく変わりました。
作成の際に社長だけでなく、各部門の方々も交えて作成し、その後朝礼や定例の会議の場で意図を伝え、進捗を月次で確認するということを繰り返し、今では前年比で売上は20%増、利益水準も好調に推移するようになっています。
私たちは、決算数値をもとにある程度問題の点など指摘は出来ますが、特に原価部分や在庫などはどうやってどの位改善できるのかは、現場の方々に取組んで頂く方が圧倒的に改善が早く効果が高いので、これらのことに注意してやっていくと効果が得られると思います。
| 2009年10月16日 13:00
| 労務
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みなさん、こんにちは。
東海地域でセミナーの専任講師をさせていただいております、
株式会社エフアンドエム 佐久間貴司でございます。
日頃は、金融機関の依頼を受けお話をさせていただくことが
多いのですが、本日はその講演内容の一部をご紹介いたします。
みなさん、「労働トラブル」と聞いてどう思われますか?
自社には無縁だと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、昨年度は「労働トラブル」が全国的に増加していることは
ご存知でしょうか。
平成13年10月1日「「個別労働関係紛争解決促進法」の運用がスタートし、
特に平成20年度は、下記のような報告がなされております。
【以下、 『平成20年度個別労働紛争解決制度施行状況』(厚生労働省)より抜粋】
■平成20年度の民事上の個別労働紛争に係る相談内容の内訳は、解雇に関するものが最も多く25.0%、労働条件の引下げに関するものが13.1%、いじめ・嫌がらせに関するものが12.0 %と続いており、解雇、労働条件の引下げ、退職勧奨等に関するものの割合が特に増加した。
■申出人は、労働者が98.7%と大半を占めるが、事業主からの申出も100件と1.3%あった。事業所の規模は、10~49人が28.9%と最も多く、次いで10人未満18.4%、100~299人が11.9%となっており、労働組合のない事業所の労働者が66.1%である。
上記報告を見てもわかるように確実に「労働トラブル」は増えております。
中でも50名以下の事業規模で約半数になっています。
さまざまな要因があると思われますが、「労働トラブル」の中には、
未然に防げたかも知れない案件もあります。
それは、解雇に関してですが就業規則がしっかりリスクヘッジされていたか
どうかです。
例えば、
※懲戒(特に懲戒解雇)は、その事由について「限定列挙」が適用される。
どんな事由で、どのような種類・程度の処分をするのかを具体的に明記しなければ、不当解雇とみなされる場合があるのですね。
そう考えると会社の憲法というべき就業規則で個別具体的に示す必要があります。
なかなか、就業規則を見直す機会が少ない事業主の方は今一度確認されてはいかがでしょうか。
また、「労働トラブル」の中でも非正規雇用と呼ばれる方々とのトラブルも増えていると
聞きます。
就業規則だけでなく、それぞれの立場にたった、「パートタイマー就業規則」「嘱託雇用規定」「契約社員就業規則」などの作成・運用もお勧めします。
最後にもうひとつ。
講演の中でもよく話をさせていただくのですが、こちらも大切です。
雇用契約を結んだ方が良いということです。
正社員の場合はきちんと雇用契約書を取り交わすことが多いのですが、
非正規社員の方ですとまだまだ雇用契約書を取り交わすまで実施されていない事業主の
方も多いのではないでしょうか。
従業員を雇用する際は「労働条件通知書」を交付することが労基法で義務付けられています。
よって、「労働条件通知書」で運用されている事業主の方も多いと思います。
ただ、「労働条件通知書」よりも、就業規則や会社のルールを守ることについて、
きちんと本人がサインをする 「雇用契約書」スタイルが良いでしょう。
これもリスクヘッジのひとつでしょう。
『各種規則を整備』し『帳票類で運用』する。
みなさんも、ぜひ自社での自主点検をお勧めします。
セミナーでは上記に以外にもさまざまなお話をさせていただいております。
会場でお会い出来た際は、「ブログ」見たよと声をかけていただけると嬉しいです。
では、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
| 2009年10月01日 12:54
| 労務
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みなさまの社内において、日ごろから色々なクレームが発生していると思いますが、その対応はどうされていますか?
またクレームの件数は着実に減少していますでしょうか?
一般的にはクレームが起こった場合、すぐにお客様にお詫びを入れることは当然ですが、場合によってはそれにより多額のコストや時間が発生していることも企業様から良く聞くお話です。
これはお客様への信頼を失墜させ、かつ利益喪失により結果として多大なる売り上げをロスしたことと同じことになります。
クレームが発生した直後は社員に対して朝礼などで注意喚起をして、徹底されるかと思いますが、根本原因が除去されない限り、時間が経つと必ず同じクレームが発生しますし、件数自体もなかなか減少しないものです。
クレームの対応については、そのスピードや方法も重要ですが、何よりも大切なことは同じことを2度と起こさないための再発防止策を講ずることなのです。
その有効な手段とは、発生したクレームについては、発生の事象・内容などを詳細に1件づつあげることからスタートします。
そして、一定期間を経た中でそのクレームを分析し、何が原因かを特定します。
(商品・サービス・ルール・人的要素・などなど)
その上で優先順位の高いものから具体的な改善策を講じて、社内で共有します。そしてそれが解決すれば、次の課題に取り組むといった具合に定期的に改善のための会議を実施します。 さらにレベルアップをすれば、クレームの削減の目標設定をします。この目標設定することにより深度化が図れると思います。
これがよく言われる改善の手法である『PDCAサイクル』です。
(プラン→ドウ→チェック→アクション)
この仕組みが会社に入る事により、クレーム件数の撲滅に必ず貢献できるはずです。
それだけではなく、社内の様々な改善に活用できます!
この改善の仕組みを定着されるための有効な手段の一つがISO9001の活用です。
ご興味がある方はお気軽にご相談下さい! ISO取得支援サービスはこちら!
| 2009年08月20日 18:07
| 労務
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従業員に社費で研修を受けさせ、資格取得をさせたらすぐに辞めてしまった、なんとかすることはできないか、というご相談は結構多いものです。
研修に限らず、遠方からの就職者には入社支度金を支払ったにも関わらず半年で辞めてしまったなど、社長としては「恩をあだで返す」ように感じていらっしゃる方も多いようです。
確かに、一生ものの資格を取得して、いい条件で次の会社に就職されたら心穏やかではいられませんね。
「2年以内に退職した場合には資格取得費用を全額、返金すること」など、会社の決まりごととしている企業もあるようですが労働基準法上は認められません。
民法では420条(賠償額の予定)以下に損害賠償を予定できる旨を定めていますが、労働法ではこれは労働者の退職の自由を奪うものであるとして、この原則を修正しています。
このようなことを回避する方法のひとつとして、研修費用や入社支度金などは従業員への貸付金にするということが考えられます。
返済の免除の条項を入れておけば、従業員側の負担感も少なくなると思われます。「契約書を作って」とお伝えすると「そんな大げさな、従業員もよく納得しているから」とおっしゃる社長もいらっしゃいますが、従業員が辞めるときは、会社に対してあまり良い感情を持っていない場合が多いため、口約束ではなくキチンと契約書を交わしましょう。
こういった貸付とは違って、本当に一時的に従業員がお金が必要になった場合、3回以内での返済が見込めるようであれば「立替金」として処理する方法もあります。
立替金で処理すると従業員から利息をとる必要がなくなります。
お金のことは、微妙な問題にも発展しやすくまた不公平感もでやすいものです。
貸付金や立替金、または従業員が会社に損害を与えた場合の決まりごとはありますか?
| 2009年03月26日 08:57
| 労務
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前回は債権回収の方法として、担保の基礎知識をご説明しましたが、今回はいよいよ債務者が危ないのではないか?という状態になった場合の具体的な債権回収の方策です。
1、債権回収方法の分類
債務者が期日に支払えなくなった、などは一番分かりやすい信用不安の顕在化です。
お金を返してくれなくなる、払ってくれなくなる可能性が出始めたら債権回収の活動開始です。
信用不安が顕在化すると、時間の経過とともに債務者の資力は劣化します。それはそうですよね。債権回収の活動を一斉に取引先が開始するのですから。
ですので、債務者の信用情報を早めに収集するとともに、債権回収は迅速に行いましょう。
回収方法は、下記の①~④です。
①事実上の回収
②担保権に基づく回収
③強制執行に基づく回収
④倒産手続参加による回収
2、事実上の回収とは?
債権回収の際、法的手続きを取ると、時間やお金がかかります。
裁判上の手続外で、簡単で安価な回収手段をここでは事実上の回収と呼びます。
まず、債務者が保管している商品を引上げて、債務の弁済にあてます。典型的なものは、貴社が販売した商品を引上げる方法 があげられます。
しかし、その商品の占有権、所有権はあくまで債務者側にあるので、債務者の意思に反して行うと損害賠償を請求されることや窃盗などの刑事事件となる可能性もあるので引き上げを行う際は、債務者から引き上げを承諾する書面を取るなど、債務者が任意に渡したかたちを取ることが必要です。
「あーー、金はないからそこらへんのものを持っていってくれ」と債務者が言えばしめたものです。
取引先には売掛もあるが買掛もある、というような場合にはこれを相殺する方法もあります。この場合の注意点は、貴社の支払期限が債務者の支払期限より先に来ていることです。そして、契約書には信用不安を疑わせる一定の事由(不渡り、支払の遅延)が発生した場合に、期限の利益を喪失させる特約を盛り込みましょう。
3、担保権に基づく回収とは?
ここでは、下記①~②の抵当権等の物的担保でご説明します。
①法定の担保権実行手続による回収(差押え・競売)
②担保権設定者の協力を得て、担保目的物を任意に処分しその処分代金から回収
①に比べて高価に処分できることが多いので可能であれば②の方法が取りたいところですが、法律関係が複雑な場合は債務者間の利害関係を公平に処理するために①によって裁判所の関与が必要になる場合があります。
いずれにしても、担保目的物の処理は複雑な利害関係が絡み、法的判断が必要とされるので弁護士などの専門家に相談する方が妥当でしょう。
4、強制執行に基づく回収とは?
裁判所に対して、債権の支払を求めて訴訟を提起し勝訴したら、債務者の財産に対して強制執行をかけていく方法です。
債務者だけではなく、保証人に対して訴訟提起をする事もありえます。
しかし、皆さんご存知のように訴訟提起の準備は労力も時間も必要です。債務者に財産がなければ、勝訴しても強制執行は空振りで債権回収の目的は達せません。弁護士などとよく相談して、慎重に判断してください。
5、倒産手続参加による回収とは?
債務者が破産や民事再生などの法的な倒産手続きに入った場合には、法律の手続きに則って、債権額に応じて按分弁済を受けることになります。この場合には、おおよそ数パーセントの配当(分け前)で終わってしまうことが多いので、回収できなかった債権額は税務上の損金処理としなければならないケースも多々あります。
3回にわたって、債権回収をご案内してきました。
「そんな事、知っているよ」と皆さんがおっしゃるような内容ばかりです。
でも、皆さん、実行していますか?
当社にご相談される社長様は皆さん「あそこは大丈夫」「長年の付き合い」「代々の土地がある」などとおっしゃっています。
そのご判断は正しいのですが、今回ご案内したことも付け加えてみてください。
この不況の時期、売上を伸ばすことに腐心されていらっしゃることと思いますが、守りの部分も見直してみてください。
| 2009年03月04日 20:22
| 労務
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よくお客様から就業規則をつくると会社が身動きできなくなるのではという質問をいただきます。
労働基準監督署に提出する時に何か指摘されるのでは等で躊躇される方もいらっしゃいます。
時間外労働や退職時にトラブルがおきがちですが、時間外労働の割増賃金を計算する元となる賃金も就業規則で決めることができますし、退職時の退職金の支払も会社が就業規則で決めればそのルールで支払います。会社が意外と自由に決められるというところが利点でもあります。
就業規則のポイントは以下の点です。
①規程が合理的な内容か?
②従業員の処分を行う場合の具体的かつ適正な流れの記載がされているか?
③明確に規定され、従業員に周知されているか?
就業規則は職場の秩序維持を図り、いざというときに会社を守る武器です。
トラブルのない状態を保つためにも、ぜひ見直しをされることをお勧めします。
| 2009年02月24日 20:18
| 労務
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前回に引き続き、債権回収、それも担保のお話です。
「担保」は使い古されている言葉ですが、その役割についての正しい知識はお持ちでしょうか?
(1)担保は必要?
原則として、債権は債務者本人(契約書に記名(署名)している人(法人)です)だけにしか請求できません。ただ、債務者の資力がなくなった場合には、本人に請求しても意味を成さないことになってしまいます。前回、触れました「支払能力のなくなったとき」の状態です。
そういった時に備えて、債務者本人以外から債権の回収をするために担保をとっておくことが必要です。
「あの社長との取引で、担保とか言いづらいしな~」という経営者の方は多いのですが、そのために痛い目にあっているケースも多いようです。
「担保=土地家屋などの不動産」というイメージが強いようですが、担保には一般的に2種類あります。
(2)ものが担保?
〇物的担保
物的担保とは、債務者本人もしくは債務者でない人が所有している資産を債権の担保にすることをいいます。
その場合、その資産から債務の弁済を受けることができます。
物的担保の典型例は抵当権ですが、担保とされた不動産などの資産から、優先的に弁済を受ける効力があります。
担保といえば、まず考えることは物的担保を確保できるかどうかです。土地神話が崩れて久しいですが、債権回収の手段としては確実性がある担保です。「自社ビル」と言いながら、所有者は社長個人というケースも多々ありますので、取引を開始するとき、その会社の土地社屋の登記を確認することも忘れないでください。
今、この不況で不動産価格は下落しています。せっかく、土地を担保にとったのに債権を回収できるだけの資産価値がなくなっているかもしれません。その場合には追加の担保の差し入れなどを要求するのも一つの手段です。
【動産売買先取特権の例】
次のようなケースが一例としてあります。
メーカーが卸会社に商品を売り、卸会社は小売店に商品を売った。ところが卸会社はメーカーにその代金を払えなくなってしまった。その場合、小売店が卸会社に支払う代金から債権回収をする。これは、卸会社は小売店に売買代金債権があるのでそれが担保物権となっています。
(3)人が担保?
〇人的担保
人的担保とは、保証人をとる、ということです。
債務者以外の第三者に債務者の代わりに債務の弁済を請求できる制度です。
第三者の全財産が、債権の”かた”となっているといってもいいでしょう。保証人に資力があれば十分な担保が得られています。逆に保証人の資力がなくなれば担保の意味がなくなります。
人の資力は時間とともに変動しますので、債権回収の手段としては不確実だというデメリットがあります。保証人をとる際には、保証人の身元や資産の調査をするのは当然です。債務者本人に支払能力がなくなったとき、実際に保証人から債権を回収することが現実的なことなのかを確認することも必要です。物的担保にできる資産がない場合にも、第三者(親族などが多いようです)の承諾があれば設定できる担保なので比較的簡単に取得できる担保であるという点では利用しやすいといえるでしょう。
保証人が実は保証人になることを承諾していなかった、というのがよくあるトラブルです。直接、保証人に会って本人の意思を確認しておく必要があります。また、この保証契約は書面で行う必要があり、口約束では効力を生じませんのでご注意ください。(民法446条2項 要式契約)
さて今回は、担保についてざっくりとお話しました。よく「契約先は会社で、社長個人の保証を取る」という事が行われていますが、会社に支払能力がない場合には社長個人に支払能力があるとは考えにくいです。また、同じ会社にいる配偶者・親族も同様でしょう。抵当権の設定をしている場合には、その担保価値を確認してください。
そしてくれぐれも・・・これをお読みになっているあなたは「保証人」にはならない事です。保証している人が自己破産でもしたら、借金は全てあなたが支払わなければいけないと言っても過言ではありません。あなたも自己破産すればいいでしょうが、自己破産するには目ぼしい財産を全て失います。
さて、次はいよいよ取引先が危ない、となった状況が明らかになった場合についてお話しいたします。
| 2009年02月18日 09:50
| 労務
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不況だから、というわけではありませんが、取引先が代金を支払ってくれない、取引先が倒産したが未回収の売掛金がある、といったような相談は毎日のように舞い込んできます。事業を継続していくためには、債権回収は重要事項の一つであることはだれでもご承知でしょう。その重要性はご承知でも日々、頭を悩ませていらっしゃる方も多いことと思います。債権回収の問題点は、様々な場面を想定して検討していく必要があります。
債権回収をどのように実効的に図っていったらよいかについて、場面ごとに基本的なポイントをお話ししていきます。今回は、その前提として、債権回収の原則事項や基礎知識を確認していきます。
(1)債権回収の基本原則債権を回収するために必要な基本的要素としては、債務者の「支払能力」と「支払意思」の2つが挙げられます。
支払能力すなわち、お金がなければどんなに支払いたい気持ちがあったとしても、また訴訟で勝訴判決をとったとしても、代金を払ってもらうことはできません。債務者に支払能力があるのかを取引が続いている間は継続的に確認し、支払能力が危なくなってきたときには、支払能力を確保しなければなりません。取引を続ける必要な支払能力が、債務者に欠けてきたと判断した場合には、取引を中止するという決断も必要となってきます。
また、支払能力があったとしても、他の債務を先に支払おうと考えていたり、他の費用に充てようと考えている場合など、債務者に支払意思がない場合には、やはり債権回収は困難となります。支払するように督促をしたり、法的手続きを進める意向を示すなどて、債務者の支払意思を喚起することが必要となってきます。
(2)契約書関係債権を回収するにあたり、どのような債権があるかという争いがあるようでは、債務者がすんなり払ってくれないこともあります(そんな取引はしていない、そんな売買契約をした覚えはない、など)。債権回収を滞りなく進める前提として債権関係を明確にすることが必要となります。
原則的には、詳細な契約書を作成しておくことが一番効果的です。そこにどんな債権がいくらあるかを書き込んでおけば相手方も争うことは容易ではないですから、支払ってくれる可能性が高くなります。また契約書の中に違約金や担保の条項をいれることで、支払を強制する契機となり、相手方の支払意思を喚起することにもなります。
もっとも、契約書を作成するような取引は実際には少ないかも知れません。注文書や請書のやりとりのみといったような場合も多いかと思われます。そのよう場合でも、注文書や請書により債権額を確定することは可能ですし、違約金や担保の取り決めだけも別途行うことも検討すべきでしょう。
(3)取引先の支払能力の確認取引先が倒産するような場合には、支払能力が”欠けて”どころではなく”なくなってしまった”結果で、債権回収は極めて困難となります。そのため、支払能力に問題が起きる前に情報を把握し対策を立てることが必要です。取引開始時はもちろん、取引継続中も常に取引先の信用情報を確認することがまず必要となります。取引先の信用情報を確認するにあたっては次の3点から総合的に判断します。
①会社のヒト(担当者・経営陣など社内の態度が以前と違っていないか、退職者が多くないか)
②モノ(主力商品の売れ行き、会社資産の構成、在庫、主要取引先の変化等)
③カネ(財務諸表の内容、取引銀行の融資態度等)
実際に取引を行う中での社内の様子、金融機関・同業他社からの情報、決算書や税務申告書の内容、民間の調査機関や興信所の情報などから情報収集を行っておくことが必要です。
興信所を使うとなれば費用もかかりますが、銀行員は、社内が整理整頓されているかをまず確認すると言います。
営業マンに対しては取引先の雰囲気を見抜く力を付けさせ、内部部門では情報収集の手段を確立させましょう。支払能力に問題があった時には、担保の要請をすることがまず考えられます。
次回は担保に関してご案内しますが、まずは貴社の体制がどうなっているかをチェックしてください。
営業マンに「債権は絶対に回収するぞ」という教育をしていますか?
貴社は「支払い順位の低い会社」と見られていませんか?
長い取引先だからといって、ここ何年も情報収集を放置していませんか?
| 2009年02月03日 13:19
| 労務
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100年に一度という大不況は、当社の会員企業様にも襲い掛かっています。
巷では、「内定取消」「派遣切り」「ワークシェアリング」などが問題となっていますが当サービスセンターには、既に整理解雇のご相談も日々入っています。
整理解雇とは法律上の用語ではなく、裁判での判例によって浮上してきた労働慣例での用語です。バブル崩壊後に「リストラ」という用語が定着しましたのでその方が最近では通りがよくなっているかもしれません。
ただし整理解雇を行うためには、最高裁判所が下した「整理解雇の四要件」を満たさなければいけません。この要件を満たさないと「不当解雇(解雇無効)」となってしまいます。
●整理解雇の四要件
1.人員整理の必要性
人員整理は基本的に、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとされています。
あらゆる手を尽くしたが人員整理をしなければ倒産してしまう、という差し迫った状況であることが必要です。もしくは、現在の人員体制では近いうちに経営危機に陥ることが必至であるというような、高度の経営危機下にある場合には人員整理の必要性は認められる傾向にあります。
その判断は経営者の主観であってはならず、人件費割合が過剰であるかどうかなど客観的な判断が必要となります。
2.解雇回避努力義務の履行
期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員)の、人員整理(解雇)は最終選択手段であることが必要です。
例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力をして、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要があります。
3.被解雇者選定の合理性
解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公平でなければなりません。
整理解雇は人件費の削減のために行うものであって「○○さんを辞めさせたい」というように特定の従業員を選別して辞めさせる手続きではありません。その選定基準は、各企業によって大きく異なるため一概に言えるわけではありませんが労働は人間の尊厳にもかかわりますので、慎重さが求められます。
例えば定年後の再雇用者を対象とする場合「Aさんは特殊技術があるから対象にしない」「Bさん・Cさんは特殊技術がいらない部署だから対象にする」といった基準はある意味合理的ですが、その選定基準を明らかにする必要があります。
従業員に不公平感を持たせない、という事を重視しましょう。
「能力のない従業員をこの際、まとめて解雇したい。少数精鋭でこの危機を乗り切りたい」というのは、経営者側のもっともな考えですが、「能力のない」という判断基準を明らかにしなければ「不当解雇」と言われてしまう可能性も高いでしょう。
4.手続の妥当性
整理解雇については、手続の妥当性が非常に重視されています。
例えば、説明・協議、納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされるケースも多いようです。
「解雇は30日前に予告すればいいんでしょ?」とのご質問もよくありますが、やはり30日より前に、説明会などを開催した方がいいでしょう。
●実施に当たっての注意事項
整理解雇の四要件は整理解雇を行なうことについての必須用件でありそれを満たせば可能ですが、解雇について就業規則に明記することが定められたことにより、整理解雇も就業規則に明記が無ければ、無効となります。
貴社の就業規則の解雇の事由には、その記載がありますか?
| 2009年01月19日 18:13
| 労務
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、本年5月から裁判員制度が始まります。
昨年、11月末には裁判所から候補者へ通知が発送されていますのでもしかしたら従業員の中に候補者がいるかもしれません。
いざ裁判員(もしくは裁判員候補)になった場合には会社を何日か休む事になります。
通常のサラリーマンであれば、まず辞退する事はできないようです。
では、会社を休んだ場合、どう取り扱うべきでしょうか。
法では定めていませんが「公民権の行使」に順じて考えるのが望ましいでしょう。
公民権とは参政する権利や選挙権、被選挙権という主権者としての権利で勤務中にもその権利を行使できます。
勤務中に選挙の投票に行く従業員を会社は止めることはできませんし、選挙に立候補する事も拒むことはできません。(もっとも選挙運動は公民権の行使ではありません)
選挙に当選し、議員になったような場合は、その公務は公民権の行使中です。
ただし、公民権の行使中の賃金を有給にするか無給にするかは会社で定めて構いません。
議員になったような場合は、その期間を休職扱いにすると定めている会社も多いようです。
裁判員は「公民権」とは違いますがその休み中の扱いはやはり会社にゆだねられています。
裁判員制度が始まる前に、規定しておくと混乱がないと思われます。
1、有給にする場合
出勤したものとみなして通常の賃金を支払います。
2、無給にする場合
裁判員として休んだ日の賃金は支払いません。
ただし、裁判員として会社を休んだことを理由として会社が不利益な取扱をする事は
禁じらていますので、欠勤として扱うのは望ましくないでしょう。
3、手当金を支払う場合
裁判員には1万円を上限として日当が支払われます。
(裁判員候補者は8千円以内)
従業員の賃金との差額を手当金として支払う場合もあるでしょう。
休暇申請などの帳票も必要になってきます。
就業規則の「休暇」の項目に「裁判員休暇」を追加してはいかがでしょうか。
それにしても裁判員が扱う事案は、社会の一般感情が反映される凶悪事件とされています。
(下記が主な事案です)
①殺人
②強盗致死傷
③傷害致死
④危険運転致死
⑤現住建造物等放火
⑥身代金目的誘拐
⑦保護責任者遺棄致死
良く知られているアメリカの陪審員は有罪か無罪かを評決するだけですが、裁判員は死刑を含む量刑までも討議しなければなりません。
また証拠調べで、凄惨な現場の写真を見なければならないこともあるでしょう。
一般人には酷であってメンタル的に疲弊するのは、間違いないと思われます。
「裁判員休暇」とは別に「裁判員として受けたダメージ回復休暇」も必要になるかもしれませんね。
| 2009年01月06日 09:13
| 労務
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