魚住

2010年2月10日(水)

環境変化と経営努力

私の故郷は和歌山県です。

関東や東北の人にお話しますと、「大阪より西?東?」と聞かれ困ることもあります。

和歌山県は大阪より西でも東でもなく、大阪の下。つまり南に位置します。

弘法大師が開いた高野山と世界遺産の熊野古道が有名です。白浜温泉や勝浦温泉もあります。

ほかには柑橘類、柿や桃、梅干し(紀州南高梅)、醤油や味噌類があります。

なかでも、この季節はやはり「みかん」です。「有田みかん」や「紀州みかん」と段ボールに書かれあちこちに出荷されていきます。この季節は和歌山の山はみかんの橙色一色に染まったものです。ところが、最近はその色の面積が狭くなったように感じたり、薄くなったように感じたりしていました。気のせいか?とも思っていましたが、どうやらそうではないようなのです。

 

 先日、TVのある番組でその「みかんの出荷量」のことをやっていました。東京のある青果市場での話です。みかんの取引高が年々減少傾向にある、というのです。

よくよく聞いてみると、なんと「日本国民のみかん消費量が20年前と比較して約半分になっている」とのこと。

 では、その理由とは?

青果市場の仲買人さんの話では「炬燵(コタツ)」が原因とのこと。確かに、私が子供のころ(現在私は51才)は、家族が炬燵に入り、全員みかんを手にしていました。小学校に行くと手がみかん色に染まっている友達もたくさんいました。勿論、みかんを買うのは、いわゆる“箱買い”という段ボール箱で買ってくるものでした。ひと冬が終わると空の段ボール箱が2つも3つも転がっているのが普通でした。

しかし、現在、家に帰ってもみかんの入った段ボール箱はありません。炬燵もありません。

街行く女性のインタビューでは「皮を剥くのが面倒」「手が黄色くなる」「爪にカスがたまる」等の声が・・・。

 

みかん農家が知恵をしぼり、品種改良を繰り返し、いいものを提供しようと必死になっている。勿論、みかん消費量の拡大を願って。しかし、その一方でみかん農家の知恵や努力の及ばないところに、消費量を半分にしてしまう要因が潜んでいたことになる。

つまり、「炬燵」という生活環境の変化と「ネイルファッション」という美意識の変化がみかんの消費量を半分にまで下げてしまっている現実がここにある。

みかん農家や農協の誰がこんなことを注視してきたであろうか?

住宅事情や生活様式の変化、女性の社会進出とファッションの多様化、そして核家族化。

これでは、いくら品種改良を重ねてもなかなか、みかんの消費量は拡大出来ないはず。

経営者の皆様は、常に売上げを上げることを考えて邁進されていらっしゃる事だろうと思いますが、もしかすると売上げを上げること以外にも手を打たなければならないことが潜んでいるかも知れません。成功したことも失敗に終わったことも、一度、第三者の目をいれて分析してみることも必要かも知れませんね。

「経営努力」とひとことで言っても、なんと奥が深く、幅の広いものであろうか。

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